【概要】
Abaqus/CAE では、スケッチ内の寸法をパラメータ(変数)として定義することができます。パラメータは数値だけでなく、他のパラメータとの算術式(パラメトリック方程式)としても定義可能です。
この機能により、寸法を変更すると関連する形状が自動的に更新されるため、設計変更を効率的に行うことができます。これらのパラメータは、Isight による設計検討や Python スクリプトによるモデル作成の自動化にも活用でき、設計プロセスの効率化に役立ちます。
【操作説明】
1.スケッチと寸法の作成
スケッチを作成後、「寸法の追加」を選択し、エンティティを選択して位置と寸法値を設定します。
この例では矩形の長辺、円の半径、左辺からの円中心の距離に寸法を設定しました。
2.パラメータの追加
「パラメータマネージャ」を開き、表示された「パラメータマネージャ」ダイアログから「寸法」を選択します。
作成した3つの寸法を1つずつ選択して、パラメータとして追加されたことを確認します。
3.パラメトリック方程式の作成
「算術式ビルダ」を使用して、スケッチ内のパラメータを使ったパラメトリック方程式を作成できます。
「パラメータ名」のリストから演算に使用したいパラメータをクリックすると式に追加されます。必要に応じて「演算子」のリストから使用する演算子を追加することもできます。
この例では、左辺からの円中心の距離「distance」を、長辺「length」の0.3倍になるよう設定しました。
設定が完了したらパラメータマネージャの「OK」をクリックします。
→左辺からの円中心の距離「distance」が長辺「length」の0.3倍に変更されました。
※形状が大きく異なるような変更(例:スケッチのトポロジーが変わるような変更)は、エラーや不正なメッシュ生成の原因となるため、避けてください。