事例紹介

自動車アプリケーション

適用業務:エンジンの振動解析

ユーザー フォード大型トラック/航空宇宙部門ターボ機械移動体研究所
会社概要 フォード大型トラックは、フォードグループの大型トラック設計・製造会社です。高い品質管理標準の維持を標榜しています。
所在地 米国ミシガン州ウエストディアボーン


課題

フォード大型トラック社は、日常的な業務にDADiSPを使い、製品開発の効率と生産性の改善を行っています。フォード大型トラック社は、データ収集と解析業務を別々の部門で分担して行っています。そこで、スーパーバイザーのボンド氏に、効率的な「業務分担」アプローチにDADiSPがどのように役立っているかをお聞きしました。

汎用ツールのニーズ

ボンド氏の部下のエンジニアは、車両の構成部品の試験データ収集から完成トラックのハイウェイ走行時のデータ収集対応までの幅広い業務を担当しています。このような業務を素早く処理できる多目的ツールが必要とされます。

汎用ツールのニーズ
 
問題の解決

問題の解決

ボンド氏のチームがDADiSPで行う典型的な仕事は、エンジンを搭載するためのブラケットで生じる共振がエンジンの振動によるものか否かを測定することです。エンジン回転数(RPM)がアイドルから最大値までスイープされ、多重チャンネル加速度データがブラケットとエンジンから収集されます。一方、DADiSPは、エンジニアによって作成されたコマンドファイルを実行させ、空のスプレッドシートのテンプレートにデータを収集します。

 

インクリメンタルPSD分析

結果の時刻暦は、加速度データの各チャンネルに対して小さな増分に分割されます。電力スペクトル密度(PSD)のプロットは、これらの増分で実行されます。各増分に対する平均RPMが計算されます。そして、全ての増分に対するPSDが、ウォータフォール プロットに結び付けられます。典型的なデータは、大容量なので(1チャンネルにつき200,000点以上)、DADiSPは、これらの処理を夜間に行い、翌朝にハードコピーを出力します。DADiSPを導入する以前は、エンジニアが手作業でデータのセグメントを抽出し、各々のセグメントのPSDを手作業で実行し、最後に擬似的なウォータフォール プロットを得るためにハードコピーを重ね合わせる作業を行っていました。この新しいDADiSPを使った方法は、時間と工数を大きく削減しました。

エラー訂正

フォードでの仕事の仕方は、まず試験データは特定の部門に集められ、標準的なアルゴリズムによって整理され、その後にデータを要求した人に渡されます。そのために、データを要求した人がそのデータをどの様に使うか分からなくなる、といった問題が時々発生します。さらに悪いことに、データセットがより大きなサンプルの中で平均化されると、データセット内のエラーが、マスクされる可能性があります。DADiSPは、エラーを訂正する方法を提供しています。例えば、収集したデータの信号雑音比がデータの形状がマスクされる程度に低い、といったことが時々あります。データの想定される形状は、通常コンピュータの検証モデルから分かるので、訂正できる可能性はあります。DADiSPの導入以前には、エンジニアは、データを収集した部門とそのデータを解析する部門の両方のチームで収集データを評価・確認し、再加工する必要がありました。この余分のステップに長い時間をとられていました。現在、収集したデータは、DADiSPのデジタルフィルタ モジュールによって余分のノイズは除去されます。つまり、データの想定される形状を知ることによって、1人のエンジニアが、オリジナルの信号にフィルターをかけて、信号をノイズから分離するのを短時間に行えるようになりました。

カスタマイズ機能
 

解析コストの削減

DADiSPが導入される以前においては、およそデータ収集コストの40%は、データ整理と解析作業に使われていました。それは長時間になり、大きな工数を必要としました。また、データの解析はメインフレームコンピュータで処理されていたため、長い時間待たされました。現在、メインフレームのプログラムはDADiSPテンプレートへ移植され、データの1つのチャンネル当たりの解析時間は、約10分程度となっています。全の仕事は、半日で完了することができます。DADiSPの使用によって、約20%のデータ解析コストが削減されました。

 
ユーザーフレンドリーなソフトウエア

ユーザーフレンドリーなソフトウェア

ボンド氏は、『訓練を受けてない人々の生産性を短時間で向上させるDADiSPの持つ“ユーザーの親しみやすさ”を高く評価しています』と言っています。また、彼は、製品とマニュアルを取り出してから1、2日以内に非常に良いテンプレートを作成したエンジニアの例についても言及しました。 彼の部門は、機能的にDADiSPに似たいくつかの他社製のソフトウェアを持っていますが、『ほとんど使われていない』と言っています。その理由は、『それらが言語であるから。それに対してDADiSPは、仕組みが直観的な感じがする。DADiSPは、現実を見て作られている』と。さらに、彼は、巨大なデータファイルを取り扱うことのできるDADiSPの能力を評価しています。データ収集業務のいくつかは、大きなデータを発生します。しかし、これらの大きなデータの処理に対してDADiSPに問題はない、と言っています。

 

分析の自動化

ボンド氏にとって最も重要ことは、コマンドファイルによって自動的にデータ処理できるDADiSPの能力です。『エンジニアの机上にネットワークサポートされたワークステーションを設置するには、かなりの費用がかかります。そのためコンピュータを常に稼動させる必要がありました。しかし、ワークステーションは、夜間に稼動させることができませでした。一方、DADiSPは、エンジニアが一日の終わりにプログラムを走らせておけば、帰宅したあとも稼動し、翌朝に仕事が完了することを可能にしました』。彼は、エンジニアが働いていない時間にコンピュータを稼動させることができることを高く評価しています。