事例紹介

生物学アプリケーション

適用業務:DNAシーケンスの解析

ユーザー ヒューストン大学
会社概要 ヒューストン大学は、DNA配列におけるヒューマンゲノム計画をしています。Dr. Dan Davisonはヒトのベータグロビン複合体の研究に従事しています。
所在地 ヒューストン、テキサス州


課題

「DNA」と「DNAがどのような機能を持つか」の関心が高まっています。例としてMichael Crichtonのフィクション作品であるジュラシックパークのような有名な作品にもDNAの話題は出てきます。 その作品内では恐竜のDNAから新しい恐竜を生み出しました。人間のDNAの配列を用いたことによって、ヒューマンゲノム計画はDNAに対する理解をより深くするための大きな一歩を踏み出す結果となりました。デオキシリボ核酸(DNA)は、4つの窒素、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)とチミン(T)から成ります。これら4つのベースからなる一連のものは、細胞もしくは器官の特徴の制御を可能にするためのコードを構成します。

染色体のマッピング

染色体のマッピングヒトゲノムはDNAから作られる24種類の染色体70億個で構成されます。これらの染色体は、体を構成する22個の染色体のペアと2つのX染色体(女性)もしくはX,Y(男性)1つずつのペアを持つ合計23ペアの染色体の組から構成されます。個々の染色体内では遺伝的活性が非活動領域において起こります。ヒューマンゲノム計画の目的の一つは活動領域と非活動領域の把握及びマッピングをすることです。活動領域は遺伝子とコーディング領域を持っています。そこでは一般的にどのタンパク質が作られるかを指定します。コーディング領域では、いつ、どの様にタンパク質が作られるかを決めます。

 

一貫性のないコーディング領域

DNA配列は構造水準や情報水準をたくさん含んでいます。複雑さが増すにつれて、新聞の記事の続きが別のページに書かれるのと同じように、コーディング領域も時々一時停止したり、さらに下流に続いたりします。しかし、新聞と違うのは、DNAを見つけるために必要なコーディング領域が残った部分を示す標識やマークがないということです。代わりに、タンパク質を生成する細胞機構は、タンパク質のコーディング領域が回復する場所を決定するためにDNAからの微弱な信号を受け取ります。

 

βヘモグロビン遺伝子の研究

研究されている遺伝子のひとつはβヘモグロビン複合体です。この複合体は、異なる時間もしくは発達段階で現れた、互いに隣り合って存在する7個の遺伝子の集合です。複合体には数種類あります。それは胚の時期・胎児期・大人といった時期によって変化します。βヘモグロビンタンパク質はアルファ-ヘモグロビンタンパク質と結合します。そして、ヘモグロビンを形成します。ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で、体を通して酸素を運ぶ役割を果たします。

組織の発見

構造的にDNAは有名な2重螺旋構造をしています。100mmの長さで10億個ある人間の遺伝子はこの結果から、全ての単細胞の小さな核に入っているとわかります。ベース間に長距離相関があるので組織の水準を見つけることが可能です。いくつかの相関関係は他が螺旋構造・超螺旋構造・染色体組織である間、タンパク質コーディングに起因します。

 
問題の解決

問題の解決

ヒューストン大学のDr. Dan Davisonは、このような広範囲の周期性の確認を人間のβヘモグロビン遺伝子複合体で試験するのにDADiSPを用いました。目的の達成に向けた方法は実に単純で率直です。DNA配列は最初(A=1,C=2,G=3,T=4)としました。βヘモグロビン複合体のデルタ遺伝子のグラフをウインドウ1に表示しています。上流や下流の無いコーディング領域がその時選ばれます。

 

スペクトル解析

エンコードされた領域はその後DADiSP内のFFTメニュー上のスペクトルルーティンにかけられます。デルタ遺伝子はコーディング領域なので、ウインドウ2内の結果のグラフはピークが0.33で周波数3に対応します。これに対応する3つのヌクレオチドのグループはタンパク質のコーディング領域の一部分である生物学名でコドンと呼ばれるものになります。このようDADiSPは分子生物学における問題であるDNA内のコーディング領域の決定に用いるのに効果的です。

ピークの解釈

ピークの解釈

DADiSPはDNAの他の特徴を解釈するのにも用いられます。ウインドウ2内における0.10~0.12の周りの3つのピークグループは螺旋1回りあたり平均11個のヌクレオチドを持つDNA内の螺旋について測定するという意味です。いくつかの他のピークは0.3と0.11のピークの倍数で表現できます。 DNAがヌクレオソームとして知られるタンパク質のグループの周りに絡む原因になる強いピークが0.01の近くにあります。ネクレオソームは各細胞内の染色体にどのように入るのかを知るために重要な役割を果たします。

ヒトゲノムの解明

このようにDADiSPは、どのようにDNAが生命の多様性を制御しているのかの謎を解き明かすためのツールとなり、ヒトゲノム複合体の解明をより強力にすることができます。Dr.Dan Davisonは、「DADiSPはこのような解析を非常に簡単に行えるようにしてくれた、これで私はプログラミングではなく科学にのみ心配をすることが出来る」と言っていました。