事例紹介

データ分析アプリケーション

適用業務:船舶エンジニアの教育システムの構築

ユーザー 太平洋船舶・車両研究所
会社概要 太平洋船舶・車両研究所はカナダ政府機関が支援する海運業コースを提供している研究所です。
所在地 バンクーバー北部、BC、カナダ


課題

船を走り続けさせるためには多くの技術が必要であることから、技術的な訓練は勿論のこと、船舶工学においても自動化・コンピュータ依存が進んでいます。現在、海洋エンジニアは海上でもコンピュータ技術が使用できるようになっています。。そのため、現在の海兵のトレーニングにはコンピュータスキルが重要になっています。バンクーバーの太平洋船舶・車両研究所(PMTI)はカナダ西部で一番の商船大学です。商船でのコンピュータシステムの使用の増加に対応するため、研究所はコンピュータを利用した自動作図とデータの獲得及び解析に焦点を当てたコースを用意しました。

拡張性と使いやすさの必要

拡張性と使いやすさの必要

学生を訓練するためにコンピュータシステムを設計する際、重要な点が2点あります、それは拡張性と使いやすさです。技術は急速に発展することから、新しいシステムはその進歩に対応できるように拡張可能でなければなりません、また、学生と教職員ともに短い時間で習得する必要があるため、使いやすいものにしなければなりません。最後に、一番重要なのは、このコンピュータシステムは学生の卒業後の職場環境でも使用できるものでなければなりません。

 
問題の解決

問題の解決

PMTIはDSP Development Corporation社の画像表示・データ分類ソフトウェアであるDADiSPと多くのDADiSP/Filtersも用います。船舶工学部の学部長である、Barry Shepherdはコンピュータを使ったデータ獲得及び解析の要点を教えるためにこれらのツールを用いています。DADiSPは学生の3年間の研究期間においてディーゼルエンジン監視システムの一部として用います。

ディーゼルエンジンパラメータの監視

PMTIのコンピュータシステムは、学生と教職員が力を合わせてパーソナルコンピュータで設計されます。その主要な機能は棒グラフ形式による熱のバランスの自動アニメーション化・シリンダー圧力データを処理するためにシリンダー圧力図をスクリーンに表示するといったものです。監視下にあるディーゼルエンジンはPerkins社の4.108シリンダーを4つ用いたもので、4000rpmで41kWを起こし、フルード水道力計を駆動します。このシステムにはシリンダー・燃料圧センサー・リフト変換インジェクター・一時的な熱の温度を観測する熱伝対を内蔵しています。速度とクランクの角度を観測し、エンジン速度に他のセンサーを同期させるためにマグネチックピックアップ近似センサーを使用します。熱に関係する現象を監視するのにオシロスコープを用います。

 
エンジン機能の可視化

エンジン機能の可視化

学生はいろいろな積荷の上の温度を測るためにエンジンを起動し、そのときのシリンダーの圧力状態を監視しました。用途に応じたデータはサンプリングレートを13250Hzもしくは300Hzとしてデータ獲得ソフトウェアから連続的に得ることが出来ます。内部シリンダーの状態の監視には高いサンプリングレートが必要です、逆にサンプリングレートが低いほうが、熱バランス計算をする際の熱電対を読み取るのに便利です。DADiSPで処理するために、データを連続的にPCのハードディスクに取り込みます。これによりエンジン機能のグラフ化ができます、例えば、シリンダー圧力-クランク角度のグラフや、シリンダー圧力-クランク角度の微係数といったものです。

 

DADiSPは学生の理解のために無くてはならないツールです

商船工学部の学部長であるMr. ShepherdはこのようにDADiSPを用いることについて「ウインドウを指すことで具体的なエンジンのシリンダー内部の機能が理解できる」と言っています。DADiSPは他のツールよりも、より詳細な燃焼の現象についての理解を深めさせてくれるものであるとも言っています。商船学の発行した『商船学の学生のためのシステム』という彼の記事には、PMTIの見習いに対する学習プログラムはコンピュータのアプリケーションを通じて学生に教えるために設計されました。このプログラムは、彼らの機能が「獲得データから結論に導くためや、コンピュータに集めたデータの処理を行う際にPCが重くならないようにする」ためのものです。彼はDADiSPを上記の目的で使用するのに加えて、「学生が全ての計算やグラフを書くことを手でやらなければならないので、機能的なコンピュータ無しで海上に行く場合、何をしなければならないかをわかる筈である」と言っています。Shepherdは、このコンピュータシステムを、予備部品の一覧・プランの変更・状態の監視・シミュレーション等のあるデータベースを備えたものに拡張をする計画であり、そのためにDADiSPは不可欠なツールとなると述べています。