事例紹介

機械のアプリケーション

適用業務:オートバイフレームの解析

ユーザー ハーレーダビッドソンモーター/構造研究室
会社概要 ハーレーダビッドソンモーター社は、オートバイの設計・製造会社です。その構造研究室は、ハーレーダビッドソンオートバイの構成部品をテスト、評価しています。
所在地 米国ウィスコンシン州ミルウォーキー


課題

ハーレーダビッドソンの構造研究室は、生産前の種々のオートバイ構成部品のテスト、評価を担当しています。そのために、種々のテストデータを収集しています。そのデータには、歪み、加速度、温度、圧力、力、変位、電圧、電流等が含まれます。

システムの限界

テストのためのデータは、研究室とアラバマ州のタラデガ スーパースビードウェイでのテスト施設で集められます。データは、テレメトリーシステム、携帯データ収集システム、DATレコーダー、多重チャンネルデジタルオシロスコープ、PCベースのデータ収集カードとダイナミック信号アナライザー等を含む数種類の異なる機器から収集されます。これら機器でのデータの解析は、各機器が提供する能力により限界があります。

フレーム剛性データベースの必要性

構造研究室行われているテストの1つの例は、フレームの剛性です。フレームの剛性は、オートバイの全体的な設計特性で重要な役割を演じます。フレームを設計する際に、多くの要因が全体的な剛性結果に影響します。これら要因の各剛性結果には、エンジンの取付けの方法による変数、部品の組み付け方法による変数、材料の種類、材料の形状等が含まれます。これらの効果を解析するために、剛性テストが必要とされます。フレームの種々の形状に対するフレーム剛性を評価するために、全体的な剛性特性の比較ができることが必要とされます。つまり、比較ができるようなデータベースが必要になります。

フレーム剛性データベースの必要性
 

問題の解決

ハーレーダビッドソンのプロジェクトエンジニアのコース氏によると、DADiSPは、PCベースのデータ収集・解析のための標準プラットホームとなっています。そして、DADiSPは、種々の他の機器の解析機能を標準化させ、それによって異なった発生源からのデータが比較できるようになりました。

データ収集

研究室のデータ収集機器は、次の3点を備えています。各データ収集機器は、DADiSPファイル形式でデータを出力し、PCプラグインボードを採用し、そして、GPIBポートを持っています。DADiSPのオプション製品のGPIBモジュールは、研究室のデータ収集機器を制御、データ収集するのに便利に使われています。

フレーム荷重とゆがみ

フレーム荷重とゆがみ

フレームの剛性をテストする際に、一つのねじれ荷重と最大10チャンネルの変位データが収集されます。テスト手順は、スイングアームピボット(旋回軸)を通してオートバイフレームをベッドプレートに堅く取り付けることから始めます。フレームの残りは、低い摩擦面に浮かしておきます。ねじれ荷重がフレームのステアリング上部に加えられた時に、正確にフレームのゆがみが測れるように、線形可変差動トランスがオートバイフレームのいろいろな点に幾何学的に配置されます。荷重とフレームのゆがみは、リアルタイムで計測され、データを収集されます。

 

荷重に対するXY変位

PCベースのデータ収集カードは、DADiSPとインターフェースをとられ、DADiSPワークシートに直接データを読み込むのに用いられています。データの単位変換は、アナログの電圧をトルクデータに対してはft-lbsに、変位データに対してはインチに変換されます。DADiSP のXY機能は、変位の個々のチャンネル対ねじれ荷重をプロットします。これらのXYプロットの線形回帰が計算され、異なるフレームタイプと材料を正確に比較できるように剛性パラメータが得られます。

DADiSPは、剛性データベースを構築します

ハーレーダビッドソン社は、DADiSP を使うことで、オートバイフレームの剛性パラメータのデータベースを構築できるようになりました。このデータベースにより、フレームの変更がどのように全体的な剛性特性に影響を及ぼすかについて正確に評価できるようになりました。このことは、フレームの剛性が設計されるオートバイの多くの特性に影響を与えることから、設計されるオートバイにとって重要なものとなります。コース氏は、『DADiSPは、構造研究室での開発用機器の標準プラットホームとなりました。それにより、オートバイを構成する部品の特性を正確に定義できるようになりました』、と言っています。これらの計測の成果は、顧客がハーレーダビッドソンオートバイに乗るときに感じること、顧客がハーレーダビッドソン社を先進的なオートバイメーカーとして認めることに最終的に貢献しています。