事例紹介

電力システムアプリケーション

適用業務:商用電源品質のモニタリング

ユーザー アリゾナ公益公社
会社概要 アリゾナ公益公社は700000人以上の顧客に対して日々の生活に必要な電力を供給し続けるという責務があります。
所在地 フェニックス、アリゾナ

課題

日常生活で電気を使用するのは当り前になりました。アリゾナ公益の顧問エンジニア(P.E.)であるJhon A. Demckoは電気の流れを止めないことや、問題が発生した際のすばやい原因究明が仕事です。 多くの機器を用いて自動化することでこの仕事を単純化しています。デジタルフォルトレコーダー(DFR)の使用が自動化の大部分を占めています。

電力システムのモニタリング

DFRは電気の公益事業公社と電力供給会社で用いられるデータ獲得システムのことで、発電中や応力状態下での伝送装置の監視をするものです。発電の時間を延長することで電力システムに過度のストレスを与えた場合、停電が起きる可能性があります。送電線上や発電所の電圧と電流は、保護継電器と呼ばれるデバイスによって監視することができます。保護継電器の役割は、発電機や伝送装置の監視、そして負担をかけすぎた場合に適切な状態に戻すことです。DFRは、発電後の保護継電器の適切性と有効性の検査を行うモニターとして使用されてきました。DFRは、これらの事象をメモリに保存することや、データを送信し負荷を数分与えた場合の解析を行うことをするための精巧なハードとソフトを提供します。エンジニアリングオフィスのマスターステーション(MS)は現場のDFRからのデータを受け取ることができます。

信頼性を上げるための解析

MSに送信されたデータを次々に解析し、関連のある情報を得るのは信頼性の高い電力システムを補償するために、しなければなりません。問題は、これを解決できる強力なデータ解析ソフトを見つけることです。DFRメーカー数社は個々のDFR内に記録したデータを解析できるソフトウェアを備えているものを提供しています。DADiSPは DFRから供給されたデータを取り込むことができる、高性能なデータ解析の備えたよく知られたソフトウェアです。電力会社で日々要求されている作業の一部ではこのデータ解析は適用できます。アリゾナ公益公社の一つの発電所で発電電圧場を測定するアナログパネルメータの有効性に関する質問があったとき、DADiSPの力が非常に役に立ちました。現場の人間がその問題を扱う必要はありませんでした。

 
信号解析ツールの必要性

問題の解決

DSP Development Corporation社のDADiSPは電圧計の有効性を決めるのに役立ちました。DFRチャンネルはスナップショットレコードが発生する発電電圧場を監視します。問題のメーターと比較するためにこのデータを用い、二乗平均平方根を計算します。

 

RMSデータの比較RMSデータの比較

DADiSPを用いることで比較は簡単に行えます。DADiSP内に6つのウインドウを作り、スクリーンショットに示すステップを表示します。ウインドウ1は、RMSを計算するために用いるDFRからの生データ。ウインドウ2は電圧変換器のスケーリング要素を用いることで正しくスケーリングされた生データです。この場合では、DFRのデータはすでにスケーリングされていることからスケーリング要素は1.0です。ウインドウ3は、ウインドウ2内の電圧データの時間シリーズを2乗したものを表し、その積分をウインドウ4に示しています。ウインドウ5は電圧波形を離散時間ではなく連続時間で適用するために定義されています。基本電圧周波数は180Hzです。ウインドウ5内の関数は1/180秒、2/180秒のような離散時間ではなく連続時間として電圧の、真のRMSを計算することが可能になります。発電電圧場の電圧のRMSをウインドウ6に表示しました。RMSは波形から得られた電圧の2乗の積分のルートであることに注意してください。平方根と除算によって波形を計算したものが最終的な解となります。電圧の値はRMSで233.1となりました。この値はアナログメータを試験した際の240ボルトの2.9%以内に入っています。

速い処理能力

速い処理能力

DADiSPを用いたことで、DFRからインポートされたデータを30分以内で計算することができました。また、メータの確認を1時間以内に済ますことができました。今回の事例でシーケンスを確立し、今後のために保存したので、これからRMSの値の計算が必要な場合は時間を節約することが可能になります。

調和解析

DADiSPは、アリゾナ公益公社が個別の顧客に対して電力解析調査をした際でも有効でした。正常なブレーカーの決済時、家庭へ電気的に制御された負荷を送ることで電圧ディップが起こると予想しました。顧客全体の3つの位相電圧と電流負荷の波形をDFRで記録し、DADiSPにインポートしました。DFRの記録は、予期していない負荷が持つ調和性データによる電圧降下の大きさを示します。DADiSPのデータ解析の特徴は、負荷の調和性の解析を可能にすることです。電流のスペクトルから60Hzまでには5番目、11番目、17番目、23番目の高調波が大きいとわかりました。電流のレベルも前の例と同様に計算され、218.5RMSアンペアでした。これは携帯電力モニターではRMS値内に誤りがあるかを確認するために用いました。

価値のあるツール

アリゾナ公益公社はDFRの記録の解析をするツールとしてDADiSPを見つけました。DADiSPは全てのフォルトレコーダー、データ獲得ボード、位相測定器(PMUs)に使用できるツールです。更に、PMUが妨害をモニタリングするための目的でシステム上のDFRを拡張していくためにDADiSPが使えるのではないかという期待が高まっています。J. A. Demiko「DADiSPはDFRが記録したデータの詳細な解析をするのに便利なツールです。DADiSPの”自慢できる力”は、柔軟性、複数のプラットフォームに対応している点、あらゆるDFRメーカーの記録を解析する点です。」と述べています。