事例紹介

振動・衝撃アプリケーション

適用業務:エレベーターの振動解析

ユーザー モントゴメリー・エレベーター
会社概要 モントゴメリー・エレベーター社は、エレベーター、エスカレーター、パワーウォークの設計・製造会社です。
所在地 米国イリノイ州モリーン


課題

エレベーター内での問題は、多くの人々が恐れる問題です。多くの人たちが、エレベーターに乗っていて、安全でないと感じたことがあります。良好に稼動しているエレベーターは、気にもされませんが、正しく稼動していないものは、皆の注目を浴びます。モントゴメリー・エレベーター社のゴーツル氏の仕事は、稼働中のエレベーターの状態を判断し、エレベーターがスムースに、かつ問題にならないように運転できるようにすることです。彼は、小さな問題を調べ、大きな問題にならないようにして緊急事態を防いでいます。

3次元動作のトレース

エレベーターに乗ったときの動作(ライド)の解析は、エレベーターが上下の他、前後左右に動くのでむずかしい仕事になります。データを記録する設備は、三次元の記録が必要になります。また、特定の周波数の異音が特定の機械的な問題を示すので、構成されるすべての機械類からの大きな振動スペクトルを拾い上げることが必要になります。

3次元動作のトレース
 

柔軟な動作解析ソフトウェアが要求されました

上記要求の他、記録に必要な機器は、運搬ケースに収納できるよう十分に小さくなければなりません。データ解析ソフトウェアは、スムースにデータ収集機器とインターフェースが取れ、数千もの記録データから個々の動作を抽出する必要があります。また、データ解析ソフトウェアは、エレベーターの全体の運動を評価できるように、柔軟に3次元でデータを操作し、グラフを表示できる必要があります。

 
 
問題の解決

問題の解決

ゴーツル氏は、エレベーターの各動作のデータを抽出し、解析するためにDADiSPを使っています。彼は、DADiSPとラップトップのデータ収集システムで、乗った時の(ライド)データを解析しています。また彼は、エレベーターの内部に立っている間に現場のデータを得て、その後、研究所でそれらを解析します。ゴーツル氏は、また『私たちがDADiSPを使用する以前は、手動でデータを解析するようなパッケージ・ソフトを使用していました。そのソフトは、個々の動作を抽出し、解析するのに、手動でデータ・ファイルを編集し、多くのコマンドをタイプする必要がありました』、と言っています。現在は、DADiSPと垂直ライドアナライザーを使用する事により、時間と工数が削減できました。

 

垂直のライド加速度データ

モントゴメリー・エレベーター社で開発された垂直ライドアナライザーは、VeRAと呼ばれ、フィールド・コンピューター、3つの加速度計、バッテリー、およびその他のコネクターおよびスイッチから構成されています。それは、運搬ケースに収納できるようにコンパクトになっています。3軸の加速度計は、1台のエレベーター当たり6〜8回の動作に対して、3次元振動データを得るのに使用されます。20,000〜30,000のデータポイントが1つのセッション、1つの軸当たり収集されます。それらは、12回の動作が測定される場合、1つの軸当たり80,000ポイント以上となります。データはフィールド・コンピューターからPCのファイルに転送されます。そこから、DADiSPへデータがインポートされ、問題のタイプによって種々の解析が行われます。

垂直のライド加速度データ
 

加速度カーブの抽出

DSP社のカスタマー・トレーニング・コースのスタッフの支援によって、ゴーツル氏は、個々のエレベーター動作のデータを仕分けする抽出アルゴリズムを開発しました。彼は、現在、データを自動的に抽出し、解析するため多くのDADiSP マクロを書いています。例えば、彼は、Z軸データ上の速度カーブを計算し、またX軸、Y軸データのスペクトルを解析し、それによって、上げ降ろし機構のレール継目の整列不具合、あるいはエレベーターのローラー・ガイド不良のような問題を解析しています。

解析業務のカスタマイズ

ゴーツル氏は、DADiSPのカスタマイズ機能と記憶能力によって、すべての種類の定常業務のマクロライブラリーを作成することを実現しました。ゴーツル氏のデータ解析業務のほとんどは、フィールドでの診断問題を解析することですが、一方で、DADiSPで問題を解析することによって、DADiSPを将来のエレベーターの設計改善に役立てています